猫はよく寝る動物です。猫を飼った経験がある方であれば、睡眠時間の長さはご存じのことでしょう。詳しくない方からすれば、あまりに寝すぎで心配になるほどです。
本記事では睡眠時間や寝方、寝る場所など、猫の睡眠について解説していきます。
猫の睡眠時間はどのくらい?
人間から見れば、猫は1日のほとんどを寝て過ごしているように思えます。
事実、猫の1日の平均睡眠時間は16〜17時間程度とかなりの長さで、人間からすれば明らかに寝すぎといえる睡眠時間です。
天気が悪いと睡眠時間が長くなる?
猫の睡眠時間は、その日の天候によっても変化します。具体的には、天気が悪い日は天気が良い日よりも睡眠時間が長くなるようです。
肉食獣である猫は、野生であれば狩りで餌を取ることになります。
それが雨の日となれば餌となる小動物は活動を控えるため、狩りの成果が期待できないという説が有力となっているようです。
シニア猫の睡眠時間は?
猫の睡眠時間が長いことは上で説明しましたが、年齢を重ねて高齢になった猫の睡眠時間はさらに長くなる傾向があります。老猫の睡眠時間は子猫と同じぐらいになり、長い場合20時間以上寝る老猫もいるくらいです。
これだけ睡眠時間が長くなる理由は、やはり体力の低下でしょう。
低下した体力を節約して少しでも長く維持するために、寝て過ごす時間が長くなるといわれています。
また副次的な理由として、聴力の衰えにより物音に反応しにくくなり、長く寝続けられるということもあるでしょう。
猫の寝方で気持ちがわかる?
仰向けや横向き、うつ伏せなど人間にも寝方に個人差があるように、猫の寝方にもいくつか種類があります。
では、猫はどんな気持ちのときにどんな寝方をするのでしょうか。
香箱座りをしている
香箱座りとは、猫が背中を丸め前足を胸の下に畳んで座る姿勢です。
この姿勢だとすぐに動き出すことができないため、香箱座りをしているようなら警戒心が薄くリラックスしている状態と考えられるでしょう。
また、飼い主の目の前でこの姿勢のまま眠っているようなら、完全に安心して心を許しているといえます。
香箱座りするのはなぜ?いつから?
丸くなっている
「猫はコタツで丸くなる」という童謡の一節にあるように、猫は寒さに耐えるため身体から熱が逃げないように丸くなることがあります。これは猫が眠る時の基本姿勢でもあり、基本リラックスしていると考えて良いでしょう。
アンモナイトのような渦巻状に丸まっていることから『アンモニャイト』とも呼ばれています。
のびのび寝
夏の暑い日など、猫が横になって伸びる姿は良く見かける寝姿ではないでしょうか。
これはリラックスしつつも、暑くてだらけたい状態です。人間でも、あまりの暑さに寝転がってだらける人は多いと思いますが、それの猫バージョンといえます。
あまり暑いと猫も熱中症になる恐れがあるので、空調の温度を下げるなど環境を見直してみましょう。
お腹を見せている
猫がお腹を上にして仰向けで寝ている姿は『へそ天』とも呼ばれ、見た目の通りとてもリラックスして無防備な状態です。弱点であるお腹をさらすことは、よほど安心していなければできません。
猫が仰向けになる『へそ天』に関しては、下記リンク先のページで紹介しています。
どうしてそんな格好をするのか、複数の理由を注意点とともに掲載しているので合わせてご覧ください。

顔を前足にうずめている
少し変わった猫の寝姿の1つに、両の前足の間に顔をうずめて、まるで土下座しているようにも見える、いわゆる『ごめん寝』という姿勢があります。座った姿勢でうとうとして、そのまま眠ってしまったり、眩しくて目を覆ったりしていると考えられている格好です。
そのほか、「顔だけでも狭い場所に入れたい」「安心するから」といった理由のほか、冷えやすい足先と鼻を覆って少しでも温かくしているとも考えられます。
ただし、壁に頭をつけて動かない場合は病気の疑いがあるので、動物病院ですぐに診察してもらってください。

寝る場所には意味がある?
上述したように、猫は1日の大半を寝て過ごします。しかし、常に同じ場所で眠るわけではなく、自分がその時気に入った場所で眠ることがほとんど。
しかし、猫には猫なりに場所選びの理由があるのです。
高い場所で寝ているとき
猫は高い所が大好きで、上ったままそこで寝てしまうこともあります。
その理由として、「ひとりになりたい」「涼しい」「温かい」などがあり、高い場所で寝ることを好む子も珍しくありません。
しかし、高い場所で眠るのは落下の危険があるため、不安定な場所で寝てしまったら起こさないように抱いて安全な場所に移動させてあげましょう。
狭い場所で寝ているとき
猫は高い所以上に狭い場所が大好きで、自分の身体がピッタリ収まる場所があると、例えそれが何であっても入り込もうとします。
猫はとにかく狭い場所が落ち着き安心できるようで、開けっ放しのダンボール箱など、入り込めそうな場所があればそこに居座り寝てしまうこともしょっちゅうです。
飼い主の近くで寝ているとき
猫は勝手気儘かつツンデレで、構おうとすると逃げていくのに、こちらが何か作業をしようとすると積極的に近寄ってきて邪魔をします。
そのため、気が向くと飼い主のそばで寝ることもありますが、これは「安心するから」「温かいから」という理由です。
特に冬場は、「いつの間にか布団に入り込んでいた」ということも珍しくないでしょう。
猫が一緒に寝る理由は?寝る位置でも変わる
まとめ
猫は多くの人がイメージする通り、勝手気ままな動物です。そのため、飼い主であっても予測できないような場所や格好で眠ることも珍しくありません。
しかし、それには猫なりの理由があるので、記事の内容を参考にすれば愛猫の寝方を観察してその時どんな気持ちでいるのか、より一層理解できるようになるでしょう。