猫が甘えてくる仕草はとてもかわいいですよね。
一見クールに見えても、実は甘えん坊なところが見え隠れするツンデレ感が「たまらない!」と思う愛猫家さんも多いのではないでしょうか。
今回は、猫が甘えるときの仕草を始め、甘える理由や甘えん坊な猫種についてご紹介したいと思います。
そもそも甘える理由は?
猫は単独行動を好む生き物なので、ひとりでいたとしても寂しいとは感じません。しかし、なかには甘えん坊な子がいたり、心から信頼している飼い主に対しては甘えたりすることがあります。
また猫が人に甘えてくる理由は、大きく分けて3つあります。
猫の甘える理由は、その時によってニュアンスが違ってきます。猫の行動や仕草などをよく観察してみてくださいね。
オスとメスで違いはある?
猫の子育てはメス猫が中心であり、オス猫は参加しません。そのためメス猫は子どもを守るために警戒心が強くなり、ほかの猫や人間に対しても一定の距離を置くことが多いといわれています。
一方オス猫は、メス猫の気を惹くためにアピール能力が長けているといわれています。そのため、メス猫よりもオス猫の方が甘えん坊になるそうです。
また去勢したオス猫の場合、生殖活動としてメス猫を求めることはなくなります。しかし「遊んで欲しい!」「ごはんが食べたい」などの考えを持ち始めれば、飼い主に甘えるようになるそうですよ。
さらに若いうちに去勢すると精神的に成熟しなくなることから、成猫になっても子猫気分が残り、甘えん坊になりやすい傾向にあるともいわれています。
体調不良のときに甘えることがある?
猫の多くは、体調が悪いときに甘えてくることはありません。その理由は、猫の習性に関係しています。
猫は本来、群れを作らず単独で狩りをしてきた動物です。獲物を捕まえることを始め、身の回りのことは全て自分自身で判断をしてきました。
そのため自然界では弱ったり、敵に隙を見せたりすると狙われ、襲われてしまうことから、体に不調があったとしても、それを見せることはありません。
むしろ体調が悪いときはあまり動こうとせず、安心できる場所でジッとしていることがほとんどです。
ただし猫によっては体を撫でてもらいたかったり、飼い主の膝の上に乗りたかったりと、猫なりの要望があって甘えてくることも。いつもより元気がなく甘えてきた場合は、病気やケガなどをしていないか確認をするようにしましょう。
猫が甘えているときの仕草やサインは?
猫の甘えん坊度は個体差はあるものの、とてもかわいくて癒されますよね。
ここでは、猫が甘える際に見せる仕草や行動についてチェックしてみましょう。
お腹を見せる
猫にとってお腹は急所であり、負傷すると命に関わる弱点の1つでもあります。そのためお腹を見せる行為は、相手に対する降参を意味しています。
しかし、ゴロンと気持ち良さそうにお腹を見せる「へそ天」は、降参という意味ではなく、また別の意味があるようです。
子猫は母猫に自分の要求をアピールする時にお腹を見せます。そのため、猫にとって飼い主は母親的存在なのでしょう。
喉をゴロゴロ鳴らしている
猫が喉を「ゴロゴロ」鳴らすのは、気持ちが良かったり、安心していたりする時が多いそうです。
また幸せな気持ちを周囲に伝えることができるため、人間に置き換えると「笑顔(スマイル)」の意味合いを持っているそうです。
それ以外にもゴロゴロと喉を鳴らす理由として、ストレスや要求などの意味合いを持つことも。詳しくは下記の記事をご覧ください。

すりすりと体を寄せてくる
ごはんの支度をしているときや、外出から戻ってくると、猫がしっぽを立てて体をすり寄せてくることがあります。
この行為は「飼い主さんのこと信頼しているよ」という思いが込められています。毎日何度もすりすりしてきたら、それは完全に心を開いてくれている証拠でしょう。
またそれ以外にも、仲間同士のあいさつやマーキングの意味合いもあるそうです。詳しくは下記の記事もご覧ください。

甘噛みしてくる
猫の甘噛みは愛情表現の1つとされ、親子やきょうだい間でよく見られる行動です。また飼い猫の場合も飼い主に対し、愛情表現の1つとして甘噛みをすることがあります。
それ以外にも、不満やストレスを感じているときに甘噛みをすることも。猫を撫でているときに甘噛みをされたら、一旦撫でるのを止めて様子をみるようにしてください。
とはいえ、1歳頃になると甘噛みをしなくなる傾向にあります。なかには成猫になると徐々に収まっていくケースもありますが、なかなか直らない場合は下記の記事を参考にしてみてくださいね。

前足でふみふみしている
猫が前足を使ってふみふみ、もみもみしている姿は、子猫が母親のおっぱいを飲むときに見られる仕草の1つです。この動作のことを「ニーディング」「ミルクトレッド」と呼ばれています。
これは、母親の乳腺を刺激しておっぱいを飲んでいた頃の名残といわれています。また、ふみふみしながらゴロゴロと喉を鳴らしたり、よだれを垂らしたりする猫は、親猫から早く引き離された猫に見られます。
それ以外にも猫のふみふみは、発情期やストレス発散、マーキングや眠る前のルーティンの1つとしてする子もいるそうです。
さらに飼い主さんの膝の上やお腹をうっとりしながらふみふみしている場合は、信頼し甘えている証拠ですので、好きなだけふみふみさせてあげてくださいね。
ひざなどに乗ってくる
猫が飼い主体に乗ってくる理由は大きく分けて4つあります。
猫が飼い主の体に乗ってくるのであれば、それは信頼している証拠といえるでしょう。
例えば朝早くお腹の上に乗ってきた場合「お腹が空いた」とごはんを要求している可能性が高いといえます。
いつもと様子が違う場合は、動物病院を受診するようにしましょう。
なかには飼い主さんの体の上がお気に入りでくつろぐ猫もいます。
また飼い主さんの顔に近い部分に乗ってきた場合は、飼い主さんのことが大好きで心を許している証拠だそうですよ。
舐めてくる
猫同士の愛情表現や親愛を表す仕草の1つとして、お互いを舐め合う行動があります。
猫にとって飼い主は「気を許した猫仲間」または「ごはんをくれる母親」のような身近な存在だと思っていることでしょう。
それ以外にも何かを要求したいときや、手についたお菓子などの美味しそうな匂いにつられ舐めてくることも。飼い主の手を舐めることで塩分や油分を味わっているかもしれませんね。
ただ猫の唾液にはさまざまな菌がいますので、猫の唾液が口に入らないようにしたり、口まわりを舐めさせたりしないように注意しましょう。特に赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭は注意してくださいね。
触ってくる
猫が飼い主にソフトタッチしてくるのは、何か要求をしているときや甘えたい気持ちがあるようです。
飼い主が猫の要求に対して無反応でいると、さらに強いタッチをしてくる場合があります。
また、前足でソフトタッチをしながらアピールや要求をしたとき、飼い主が応えてくれたのを覚えており、その後も習慣化していると考えられます。
何かをもってくる
おもちゃやタオルなどを咥えて持ってくる理由は、猫から飼い主に対する愛情表現の1つといわれています。
それ以外にも狩りをしてきた報告や、「こんなすごい獲物を捕まえたよ!ほめて!」といった意味合いもあるそうです。
飼い主にとってたとえ嬉しくないものでも、「ありがとう」や「すごいね!」といった声を書けてあげてくださいね。
しっぽを上に立てている
猫が垂直にしっぽをピンと立てる行為は、子猫が母猫に近付くときに見せる仕草の1つです。
子猫は母猫に肛門を舐めてもらい排泄をします。そのときにしっぽを立てることを覚え、母親に近付く際はしっぽを上に立てるのです。
また母猫が子猫を狩りに連れて行くとき、母猫もしっぽをピンと立てます。これは子猫が迷子にならないために目印として立てているといわれています。
これらの名残から、しっぽをピンと立てる猫の気持ちは「嬉しい」「構って欲しい」など、相手に好意を伝えているときに出るそうです。
甘えてくるときの鳴き声は?
猫が甘えてくるときの鳴き声は、さまざまな意味合いが込められています。
まるで「うまい、うまい!」とも聞こえて可愛らしいですね。
また、高い声でやわらかく鳴くときは「甘えたい」と、おねだりをするときといわれています。これは子猫が母親に対して行うアピールであり、飼い猫はお世話をしてくれる飼い主を母親のように慕っているんだそうですよ。
甘えてくるときにお尻が臭いのは?
甘えてくる猫のおしりから変なニオイがする、そんな経験をしたことはありませんか。
実はこのニオイ、肛門腺から出る分泌液が原因といわれています。
本来猫は、自らグルーミングを行うため体が臭うことはありません。しかし、甘えてくるときに体を震わせておしりから悪臭を放つときがあります。
これは猫同士のあいさつや、自分をアピールするときに使う習性です。なかには、甘えるときに子猫の気持ちに戻ってしまい、肛門腺から分泌液を出すこともあるそうです。
通常、成猫になると自立する猫がほとんどですが、なかには自立できず飼い主に依存してしまう猫もいます。その猫を過剰に可愛がると問題行動に繋がる恐れもあるため、改善が困難になってしまうことも。
猫が甘えてくる時におしりから異臭を放つ場合は、猫のためにも放置せず自立させるようにしつけを行いましょう。
甘えん坊な猫の種類って?
猫によって性格は十人十色ですが、猫の種類によっても落ち着きのある子や、甘えん坊な子がいます。
なかでも人に懐きやすい下記7種の猫たちは、甘えん坊な子が多いそうです。
- スコティッシュフォールド
- シャム猫(サイアミーズ)
- アメリカンショートヘア
- ラグドール
- メインクーン
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ブリティッシュショートヘア
ここでは甘えん坊な猫を飼いたい人に向けて、7種の猫たちの性格や特徴についてご紹介します。
スコティッシュフォールド
がっしりとした体格に、丸い目と丸い顔、そして折れ曲がった耳が特徴的な中型の猫種です。
性格は好奇心が強く遊び好き。また、小さい子どもや他の動物との相性もよいため、多頭飼いにも向いています。
また鳴き声が小さく、静かな性格なのでマンションなどの集合住宅にお住いの方におすすめな猫種といえるでしょう。

シャム猫(サイアミーズ)
スレンダーな体に、長い脚が特徴的なシャム猫。一見、華奢に見えますが実は筋肉質で動きが機敏です。
性格はとても賢くて気難しいですが、飼い主に対して忠実で愛情深く、寂しがり屋な一面を持ち合わせています。
また日本では「シャム」と呼ばれますが、海外では「サイアミーズ」と呼ばれています。

アメリカンショートヘア
大きめな脚にがっちりとした体格をしているアメリカンショートヘア。シルバーをベースに黒のしま模様が入った「シルバータビー」のイメージが強いですが、実は70種類もの被毛パターンがある猫種ともいわれています。
性格は温厚で賢く、ほかの猫や環境にも柔軟に対応する能力を持ち合わせています。また遊び好きで運動神経抜群なので、一緒に遊んであげると喜びますよ。

ラグドール
ふわふわな被毛に、ブルーの瞳が特徴のラグドール。数ある猫種の中でも最大といわれるほど体が大きく、筋肉質でがっしりとした体格をしています。
性格は「ぬいぐるみ」を意味する名の通り、その多くは抱っこをされることが大好き。また温厚でおとなしいため、初めて猫を飼う人にも飼いやすい猫種といえるでしょう。

メインクーン
「猫の巨人」と異名を持つメインクーン。体長は1メートルほどになる胴長で体の大きい猫です。他の猫種よりもしっぽが長い傾向にあるため、ギネスでは「最も長いしっぽを持つ飼い猫」として登録されているメインクーンもいるそうです。
また見た目とは裏腹に、とても温厚で優しい性格をしているので、ペットとして飼いやすいといわれています。

ノルウェージャンフォレストキャット
思わず触りたくなるふわふわの長毛と、野性味あふれる大きな体が特徴的なノルウェージャンフォレストキャット。筋肉質で、胸幅が広くがっしりとした体格をしています。
性格は温厚で優しく、誰に対してもフレンドリーに接します。また順応性が高いので、環境の変化にも強い傾向にあります。

ブリティッシュショートヘア
大きくて丸い瞳にふっくらとした頬、そして小さな耳が特徴のブリティッシュショートヘア。イギリスの小説「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルにもなりました。
性格は穏やかで優しいですが、その一方で自立心が高い傾向にあります。

まとめ
猫は感情を表に出さない動物といわれていますが、小さな行動の1つひとつに意味があり、またそれが愛情表現の1つということがわかりました。
もしも愛猫が甘えてきたら、ぜひその気持ちに応えてあげてくださいね。